浄化槽維持管理

水環境のために私たちができること
浄化槽とは、し尿と雑排水を処理する施設と定義され、公共用水域等の水質の保全のため、浄化槽により適正な処理をし、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することがその目的として定められています。(浄化槽法 第一条、第二条)

私たちは、多量の汚水(し尿、生活雑排水)を排水しています。この汚水を垂れ流しにすることは不衛生な環境を作り出し、伝染病などの疾病の発生原因ともなります。もちろん人間だけでなく、生命を持った全ての生き物、河川、海、土壌にも影響を及ぼします。

浄化槽は自然界に存在する微生物の力を借りて汚水をきれいな水に変換し、放流する施設です。そして微生物が働きやすい環境を整えるためには、浄化槽の維持管理(保守点検、及び清掃)は必至条件です。身近な地域環境を保つためにも皆さまご協力ください。
浄化槽のしくみ
浄化槽には大きく分けて2種類あります。

1)みなし浄化槽(単独浄化槽)
 用途:し尿のみを処理するもの

 処理方式:全ばっ気、分離ばっ気など

2)合併浄化槽
 用途:し尿と雑排水を処理するもの

 処理方式:嫌気ろ床接触ばっ気、担体流動生物ろ過など

ここでは小型合併浄化槽の嫌気ろ床接触ばっ気方式について説明します。

合併浄化槽イメージ図
①嫌気ろ床槽第1室
流入してきた汚水中のトイレットペーパー、髪の毛などを
「ろ材」で濾して 固形物と液体とを分離し、第2室へと送ります。
この槽には嫌気性細菌(酸素がない状態を好む細菌)が繁殖しています。

②嫌気ろ床槽第2室
もう一度ろ材を通すことで、固液分離を行います。
この槽にも嫌気性細菌が繁殖しており、有機物を分解しています。

③接触ばっ気槽
ブロワから送られてくる空気によって槽内汚水が攪拌されています。
この槽には好気性細菌(酸素がある状態を好む細菌)が繁殖しており、
有機物の吸着・酸化分解が行われ、汚水は高度に浄化されます。

④沈殿槽
この槽では、重力により沈降した汚泥は自然にばっ気槽に移送され、上澄水は消毒槽へと移流します。

⑤消毒槽
上澄水は固形塩素剤と接触し、病原性細菌の指標となる大腸菌群などが消毒されたのち自然界へと放流されます。
すべての過程の末、1ミリリットル中に数百万個も存在していた大腸菌群数も約3,000個にまで減らすことができます。

浄化槽のミニチュアモデルはこちら

槽内で働く微生物たち
自然界の浄化作用をFRPの中に凝縮させた浄化槽。
とても小さな槽ですが、 その中には数え切れない程の微生物が繁殖しています。
浄化槽の維持管理が適正に行われていれば、この微生物たちの生物作用によって、流入してきた汚水のうち90%もの汚れを除去することが可能です。

汚水浄化の主役はなんといっても細菌たちですが、通常の顕微鏡では見ることができません。
よって、その細菌を捕食している大型の原生生物などを観察することで浄化の具合をおおよそ把握することができます。

微生物一覧
保守点検とは
○きれいになった水が出ているか、水質検査を行います。

○微生物が活発に働けるよう、汚泥の状況やろ材、配管の目詰まり等の状況を点検・調整します。

○汚泥が流れ出ないよう、汚泥のたまり具合を調べ清掃の時期を判断します。

○不衛生とならないよう、蚊やハエ等の発生防止の措置を行います。

○衛生的な水が出るよう、消毒薬の補充や溶け具合の調整を行います。

○微生物の状態を良好に保つよう、ブロワー等の付帯設備の点検・調整をします。
清掃とは
槽内にたまった汚泥やスカム等をバキュームカーで引き抜く作業のことをいいます。
浄化槽の清掃は法律で年1回以上と定められています。(浄化槽法第10条)
法定検査とは
浄化槽の工事や維持管理が適正に実施されているかを定期的に検査するものです。
検査の時期は使用開始後3~8ヶ月後に行う「7条検査」と、1年に一度行う「11条検査」があります。
都道府県知事が指定した検査機関に依頼して検査を受けてください。
ご使用上の注意
1.ブロワの電源は切らないでください。

2.トイレ掃除には市販の洗剤を使ってください。

3.槽内やトイレには異物(ゴム製品、タバコの吸殻、新聞紙、衛生綿など)を捨てないでください。

4.トイレットペーパーは水に溶けやすいものを適量お使いください。

5.キッチンでの調理くずや油、醤油、酒、味噌汁などの原水は流さないでください。

6.マンホールやブロワの上には物を乗せないでください。

7.ブロワの周りは風通しをよくし、可燃物、危険物は遠ざけてください。
浄化槽補助制度について
浄化槽補助制度とは下水道整備が7年以上見込まれない区域において、浄化槽を設置する方を対象に設置費用の一部を国・市がそれぞれ負担して補助金として交付するものです。

補助金額は、お住まいの区域、浄化槽の人槽、新築やリフォーム、単独浄化槽や汲み取り便槽から合併槽への設置替え等の条件によって異なります。
 
浜松市の令和3年度については、以下のように交付されることとなっております。
※予算終了次第打ち切りの予定です
人槽 設置補助額 宅内配管 合計
5 332,000 300,000 632,000
7 414,000 300,000 714,000
10~50 548,000 300,000 848,000

※令和3年度より新築の建物は補助対象外となりました。
※補助対象は戸建住宅だけでなく、借家、共同住宅も含まれました。


〇参考文献 浄化槽の維持管理 (財)日本環境整備教育センター発行